1,562円(税込)
群雄割拠、他国からの侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。地中海に名をとどろかせた高度な統治の内容と、そこに生きる人々の叡知、そしてついには衰亡へと向かう壮大なドラマを詳述する。執筆当時を回想したメイキングを新たに収録。 ※当電子版は単行本下巻(新潮文庫第4巻~第6巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
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宿敵トルコとの激戦と大航海時代への対応、文化的な成熟とナポレオンによる
征服、という感じかな。
こう見てみると、やっぱり大航海時代によって地中海の相対的価値が
低下してしまったのが衰退の遠因なんだなあ。
交易から工業、農業へシフトすることで繁栄は維持したのだけど、
それによって小国のデメリットが大きく出てしまうようになったか。
語り口は例の塩野節。面白く読める。
引き込まれるベネチアの歴史。最後は寂しいが都市は残り観光名所になった。ベネチアがこういう歴史だったと初めて知った。
1000年に及ぶ繁栄を続けてきたヴェネツィアにも衰退の影が・・・。コロンブスの新大陸発見以上に脅威となったバスコダガマの喜望峰発見。それは経済大国ヴェネツィアの利益の源泉であった胡椒の独占が崩れる予兆だったとのこと。実際にはオランダの台頭・東インドの領有により完全に優位を失うまで時間は要するのですが、地中海中心から大西洋の時代になぜヴェネツィアが乗り遅れたのか。昔の聖地巡礼パックツアーがヴェネツィア商人の発明で、ライバル・マルセイユを圧倒した話、そして聖地への熱意が冷めるにつれ、ヴェネツィアそのものが観光の対象となってきた18世紀は既に爛熟、腐敗、衰退が始まっていたというのは当然だと思います。ゲーテなどが訪問したのもその頃です。ナポレオンの進出によるヴェネツィア共和国の滅亡は突然のようですが、売り物であった政治力が失われてきたということであり、爛熟売り物であった政治力が失われてきたということであり、爛熟した文明は終焉の予感を感じさせるものがあります。
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