黒い森に覆われ天然の火が扱えない世界は、ある少女たちの戦いを経て、大きな変化を迎えようとしていたーー。森の中の機織りの村では、ある日守り神が突如姿を消し騒然となる。村人は厄払いで嫁いできた娘のせいだと噂するが、村の少年・七朱が偶然手にした手紙には思いがけない事実が記されていて……(「第一話 光る虫」)。話題沸騰のファンタジーシリーズ「火狩りの王」で活躍した「彼ら」の過去と未来を描いた短編に、本編では語られなかった「旧世界」の物語も収録したシリーズ外伝。
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本編の前日譚および後日譚。
ある人物の改名には驚かされた。
最終話では、ある人物の特徴的な容姿を序盤に
あえて伏せ続けた不自然さが気になったかな。
人を中心に描いてくれていて、外伝が一番面白かった
まだ世界に明らかな救いは無いけれど、なんとなく、どの話も光明が見える
そんな短編集
本編読見終わった後、気になっていたことがちらほらと短編になっています。
旧世界の物語が1冊を通して4回に分けて書かれ、その中に短編が混じってます。
第一話 光る虫
ほたるちゃん、幸せに暮らしてるかな?
と気になっていたけど、そうだよね、甘くない。
そんな中ほたるちゃん自身は「友達ができて幸せ」と暮らしていたというのは、ほたるちゃんらしいなと、本編に増してほたるちゃんの人柄が見えた。
灯子ともまた会えてよかったな。
第二話 入らずの庭
油百七がなぜ、親族は血液が苦手だと知ってるのか、本編で疑問に感じてました。ここにその答えが。
この短編主人公になる丹百の「百」の数字がすごく脳内に残りながら読みましたが、やっぱり繋がりましたね。
第三話 花狩り人
〈揺るる火〉が誕生した時の話。
本編では振り返りでしか登場しなかった、常花姫が登場します。
手揺姫・〈揺るる火〉は、自分のすべきと言われることを純粋にそれだけ考えて、無垢な子供さがあったけれど、
常花姫は、また違う純真かつ天真爛漫で奔放な子どもらしさを感じる、もう少しだけお姉さんらしさある子供さの姫に思いました。
なんとなく、神族の中では1番人間に近い感覚じゃないかなあなんて感想です。
蜘蛛になる前の火の氏族である陽炎も登場し、常花姫が陽炎に対して「今度、お前の虫を見せてよ」と話しかけるだけしか、蜘蛛を彷彿とさせることは描かれてなかったので、そこから蜘蛛になってくる様子も読みたい!
第四話 欠ける月
明楽の話。
お兄さんを失い、火狩りにならんとしている時の話。本編でもその時のことをチラリと話してはいましたが、そこの深掘りです。
本編でなんとなく十二国記の陽子っぽいって思ったけど、この話でますます陽子っぽい!
第五話 ほのほ
多分本編読んだ読書が一番読みたかった、本編数ヶ月後の話。
本編では火穂もたくさん登場したし、投げやりだった火穂が灯子の影響で強くなっていったところも見て、それでも火穂は本編の物語ではできることというものは少なくて歯痒い思いをしていた。
本編での火穂の気持ちを思うと、読者としても火穂の「自分も何かしたいのに」って気持ちも共感できるし、いや火穂はそのままでいいんだよって気持ちもあるし、そのことで火穂が「自分は何もできないやつだ」なんて価値を見出せないままの人物になってしまうのは嫌だななんて思ってました。
よかった!『ほのほ』!
火穂の強さというのは『ほのほ』に込められていたんだな
第六話 渦の祭り
本編終了後、村に火狩りがいるのが当たり前になった世界。
回収車から火を買うだけではなく、村で火狩りを育てることに対して、
「この呪いじみた仕組みはーー火狩りの王が世を治めているせいだと、そう言う者たちもいる。狩りを好む王が、人々にも炎魔を狩らせるようにしむけたのだ、と。」
と書かれています。
そっか、そういう視点もあるんだ。と、本編を読んだ読者は思うけれど、確かにどんな事情にも、賛成もあれば反対もある。
本来の意味ではない意味として受け取られることもある。
『村に火狩りがいる世界になってよかったね』で単純に終わらせていないところが、すごく現実的。
本編読んでいた時も思ったけど、
著者は何を伝えたいんだろう?
真っ白なところに、創作していく、その縦横無尽さだけを感じた『火狩りの王』
〈外伝〉ではその答え合わせや、補助をしてくれるのかとも思ったけど、それもなく。
やっぱり縦横無尽。
1つ、自分の解釈で答え合わせするのであれば、日向理恵子さんが書きたかったのは「混沌」なのではないかな。
第六話での海でのシーンを読んで思ったよ。
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