2,310円(税込)
ネット上の行動履歴から利用者の特性を把握し、カスタマイズした情報を流すことで行動に影響を及ぼす「マイクロターゲティング」。フェイスブックから膨大な個人情報を盗みこれを利用したのがケンブリッジ・アナリティカなる組織だ。彼らは何のために国家の分断を煽り、選挙結果を操ったのか。元社員による衝撃の告発。
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人が、初めてネットの海を知り、その世界に漕ぎ出した時は、新しい出会いに胸を膨らませていたと思う。
たとえ、今、実際に周りにはいなくても、この広い世界には、きっと同じ思いの人がいる、、、って。
現実ではなかなか出会えない誰かと出会えて、新しい繋がりを生み出してくれる夢のような世界、
・・・そんなふうにネットの世界に期待した人はたくさんいるんじゃないのかな?
それなのに。
今、ネットでは、個人情報を掴んで、それぞれの人を狭い枠の中にカテゴライズし、それぞれの枠のなかで心地よい情報だけを流すことで、異なるもの同士の深刻な分断を生み出している
ことを、この本は暴露している。
第二次世界大戦と冷戦において、アメリカが自国側の大義名分として掲げてきた「民主主義」は、敵対勢力が弱体化した現在、(新)自由主義にとっても邪魔な理念と化してしまったのではないだろうか。
弱者が「団結して」社会正義を訴え、政治家を選出して強者(国や独占企業)による力の行使を監視・制限する法を作る。
法の整備に先行して個人情報という新しい価値を収奪するシステムを作り上げたグローバル企業にとって、自分たちは自由競争を勝ち抜いた優秀な絶対君主であり、「資源」として大人しく搾取されていればよいユーザーが団結して権利を主張するなどは許しがたい反逆行為なのだろう。
分割統治の手法はますます巧妙に洗練され、貧困層には福祉に「寄生」する集団への憎悪を、非モテには彼らの拠り所を攻撃するポリコレへの怒りを煽り、投票行動を分断させていれば、弱者は「何もできない」。
知性に優れた研究者にとって、自分以外の有象無象を分類、評価し、行動を操作する行為は密かな喜びであろうし、そこに報酬が提示されれば個人的な倫理観など簡単に押しのけられるだろう。
著者による内部告発の支援者に性的マイノリティや女性が多いのは決して偶然ではないだろう。
ケンブリッジアナリティカの事件について、事件の背景が丁寧に描かれた良著。当事者の視点により、ブレグジットとアメリカ大統領選へのロシアの関与が生々しく伝わってくる。
某SNSのアカウントを消したくなった。
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