605円(税込)
イタリアの大貴族デル・ドンゴ家の次男ファブリスは“幸福の追求”に生命を賭ける情熱的な青年である。ナポレオンを崇敬してウァテルローの戦場に駆けつけ、恋のために殺人を犯して投獄され、獄中で牢獄の長官の娘クレリア・コンチと激しい恋におちる……。小公国の専制君主制度とその裏に展開される政治的陰謀を克明に描き、痛烈な諷刺的批判を加えるリアリズム文学の傑作である。
まだレビューがありません。 レビューを書く
池澤夏樹「世界文学を読みほどく」より。
殊更にドラマチックな表現をしても違和感がないから、昔のヨーロッパの小説って良いよね。モスカ伯爵の嫉妬の独白とか大袈裟だけど綺麗な表現。
最初読みにくかったけど、中盤から面白くなる。下巻もたのしみ。
主人公のファブリス・ヴァルセラ・デル・ドンゴは北イタリア・パルム公国、デル・ドンゴ侯爵の二男にして、出生の秘密あり。
時はナポレオンの遠征時代、フランス軍はミラノに入城、疲労困憊している軍中尉ロベールはデル・ドンゴ侯爵夫人の館に宿泊したというところから始まる。
ミラノの郊外コモ湖のほとりグリアンタのデル・ドンゴ侯爵城で、ファブリスは16歳になった。吝嗇な侯爵の父親に冷たくされるのは事情があるからで、ずばりフランスはスタンダールだね。
ともかく夢見がちな少年はナポレオンが再び遠征したと聞くと、イタリアの生家をとび出してワーテルローへはせ参じるのである。戦いの場で世間知らずのおぼっちゃん、どうなる?
優しいばかりの母デル・ドンゴ侯爵夫人、盲愛の叔母(父の妹)に囲まれて、ファブリスは幸福の追求=冒険談と恋愛遍歴。とどのつまり、やんちゃをやってはしりぬぐいをしてもらい「可愛がられる人生」をゆく。
叔母ジーナ(アンジェリーナ=コルネリア=イゾダ・ヴァルセラ・デル・ドンゴ・サンセヴェリーナ公爵夫人)の愛がすごい。だって、そのために金持ちのサンセヴェリーナ公爵と形式的結婚(?)、パルム公国の大臣モスカ伯爵を恋人にしてファブリスを助けるのだよ。
また当時のイタリアロンバルジア公国、パルム公国の貴族の生態やら、地勢的事情を書き連ねたストーリーは、ロマンチックに尽きるけれど、ヨーロッパは地続きなんだなあと今さら思わされた。
ま、そんな風に上巻は終わる。
途中で挫折。
翻訳がひどすぎるだろう。読めた人を尊敬する。新訳を望む。
僧院における穏やかで哲学的な人生の物語を想像していたのだが、開けてみれば全く違った。何だか世間知らずの若者がよく分からない理由で勝手に戦争に参加して、怪我をして帰ってくるという感じ。帰ってきて母と叔母に会ったあたりで挫折した。特に冒頭の第一章などはまったく理解できていない。
ランキング情報がありません。
ランキング情報がありません。
電子書籍のお得なキャンペーンを期間限定で開催中。お見逃しなく!
※1時間ごとに更新
イスラーフィール
1,320円(税込)
阿部暁子
1,870円(税込)
水稀しま
902円(税込)
ぴあ
1,100円(税込)
頼爾
715円(税込)