パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。
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文学的でロマンチック、こんな本が読みたかったと思いながら一気に読んだ。このまま何も無かったらどうしようと思ったけど綺麗なハッピーエンド。おしゃれで素敵な一冊だった。この作家さんの本は他にも読みたいな
大人のおとぎ話という言葉が本当にぴったりの読後感でした。
パリを舞台に大人の男女が本当に奇妙なきっかけで導き合われていくストーリーの中に、
2人が本好きである事や書店についての細かい記載が多分に含まれていて、本好きとしてはそういう部分でも楽しかった。
パリの大通りのカフェのテラス席でエスプレッソを飲みながら本を読む描写なんて、サラッと書いてあるけどめちゃくちゃかっこいい。
キーアイテムとなるモレスキンの赤い手帳ひとつとってもすごくお洒落に思える。
地名やフランスの著名な作家に対する部分などはわたしの知識不足もあってすっと頭に入って来ない感じがしたけれど、物語の大筋としては読みやすくて楽しめました。
前半と後半で立場が逆転するのもいい。
ただ、途中までひとり置き去りにされている猫の安否が気になりすぎて気が気じゃなかった 笑
主要人物2人の名前がローランとロールで、たまに読み間違えて頭が混乱することかあったのですが、
フランス語だとスペルや発音の関係でそんなに近い名前って感じじゃないのかなあ。
強盗に遭った女性。彼女が奪われたバッグを見つけた書店主・ローランが持ち主を探すという物語。
著者の作品は『ミッテランの帽子』が有名だそうですが私は本作が初めてでした。
大人のおとぎ話という触れ込み通り、「こうだったらいいのに」が展開され、ハッピーエンドになるくだりは心温まり、読後感もとても良かった作品です。
反面、おとぎ話と言われるのは「現実はこうはならないよな」という部分から来るものなんでしょう。
たとえば
持ち主不明のハンドバッグを書店主が偶然見つけること、
その広い主が善良な人間であること、
バッグの持ち主に辿りつくこと、
それぞれが現代社会においては「奇跡的」とも言えるもので、だからこそ「おとぎ話」なのでしょう。
とはいえ、出来過ぎた話だと批判したい訳ではなく、現実もこうであったらいいのに……とため息をついた私。
そして本書の内容から派生して、
一時期流行した「バッグの中身紹介動画」から財布を抜き取ったら、果たして持主に辿りつくだろうか? と考えたりしました。
きっと不可能に近いですよね……。
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