473円(税込)
日本の古典文学を愛する一方で、常に現代文学の目撃者たらんとしたドナルド・キーン。深い愛情と冷徹な眼差しが同居する特異な批評精神を発揮し、日本文学を世界文学の域に高めるべく巨大な足跡を残した。『細雪』の秘密を語る谷崎の思い出。川端の前衛主義者としての意外な横顔。自決直前の三島から受け取った手紙。安部や司馬とののびやかな友情。珠玉の追想集にして稀有なる文学論。(解説・尾崎真理子)
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有名な作家だから読まなかったりしてきた…
そんな作品や作家をドナルドキーンという海外の方が語る…
それだけ日本を知り愛してくれているのだろう。
少し上の世代の方にはとても馴染みがある方のようだ。
文量はとても薄いので、触れてみたい人にはちょうど良い。
エッセイというには分析的で、でも評論というには温かく…。5人の文豪たちのエピソードもさることながら、キーン先生の偉大さを感じずにはいられなかった。キーン先生のような方が、日本文学のよき理解者・批評者であったことに、本当に心から感謝したい。
ドナルドキーン 「思い出の作家たち」
著者が 谷崎潤一郎 川端康成 三島由紀夫 安部公房 司馬遼太郎 との思い出や作品を語ったエッセイ。
エピソードのチョイスがいい。作家たちの人柄や考え方を知ることができる。安部とのエピソードは 安部の処女小説の背景と直接つながっていて 作品理解につながった
印象に残ったエピソード
*三島が死の2日前に著者に手紙を送って 文士より武士として死ぬ覚悟を示した
*司馬の「国家主義は世界平和の最大の障害である」という叙述に 他の作家を褒めない 安部が感銘を受けた
死のイメージが強すぎる川端と三島の作品、性のイメージが強すぎる谷崎の作品を今まであえて選んでこなかったが
谷崎「細雪」「吉野葛」 川端「雪国」「抒情歌」 三島「金閣寺」「近代能楽集」あたりから読んでみようと思う。
著者が三島の自殺をどう見たかは 興味深かった
*一種の自己催眠であり、作家であるより愛国者なのだと自分を納得させる行為
*いち早く花を散らす桜のように、いつでも命を捨てられる
*桜の花の魅力は 花そのものの美しさより、散りやすさにある
司馬を入れるあたり 著者はさすが日本人。著者の著作に 安部や司馬との対談本もあるらしく読んでみたい
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