1,320円(税込)
妻が殺された。僕の眠る隣でーー。小さな町で密かに進行する連続主婦首切り殺人。復讐者となった夫たちは犯人を追う。しかし、真相に迫る彼らの前に、地球規模の恐怖が立ちはだかった。そう、この事件を解決するとは、人類を救うことだったのだ! ジェノサイド/文明更新(アップデート)とは何か、そして真犯人は? 四年ぶり長篇ミステリー。
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ただ罪悪感の物語なのだと思います
思い詰める人の、頭の中のぐちゃぐちゃが本の形をとったようでした
この本の中に思い詰める人、または罪悪感の説明が書かれているというよりも、この物語自体が説明になっていると感じました
は〜〜感想書きたくないよ〜〜と思いながらアプリゲーをしていたが忘れるのはもっと嫌なので書きます。いやあ…佐藤友哉…好きだなあ……悔しいことに……
「そうだねえ、それは許せないことだねえ!世界の敵とはここにいたんだね。君はそれに気がついたんだ!だからどうする?この敵と戦う?そうなんだ。素敵なことだね!なあヒーロー。君の後ろにいる、その敵のことは許したのに?」
みたいな…前の敵に構えていたら横からぶん殴られるみたいな…読んでる間胃がムカムカしてました。居酒屋で土手煮を食べてたからかも。
「反省をくり返す人間たちが、罪を愛で許す人間たちが、今までなにをしてきたか。罪をわすれてきただけだ。」(P.195)
罪悪感がない人間が導く未来というのはどんなものなんだろう?それは責任を取らない人たちで動く世界なんじゃないだろうか。感想を考えていたらなんかめちゃめちゃ空虚な気持ちになってきたので星一つ下げた。
反省をしているのに、罪悪感を感じているのに、生きるためにそれをしないといけないから、忘れながら生きている。その矛盾を孕んだ生き方を、社会を、歪で、気持ち悪くて、間違ったものだとしたいのかな。でも、罪悪感をなくした生き方こそが、犯した過ちから目をそらす歪んだ生き方なんじゃないかなと思う。
六条さんも、綾ちゃんも、抱えきれない悲しみから目をそらすために、心の罪悪感を感じる部分を殺してしまったように見えた。なににも関心が無いとして生きれば、何にも傷つけられないで済むから。感情のコップを最初から壊してしまって、溢れさせないようにしている。地面にできた水たまりを眺めて、ああ自分は受け止められない人間なんだなと思い込もうとしてる。でもそういうところって人間誰しも本当はあるよね。
罪悪感のない人間が作る社会はどんなものなんだろう。それがずっとわからない。分からないまま、空虚を孕んだ女の子が、子守唄を口ずさみながら街を歩く姿を想像している。彼女の後ろで、なんとなく罪に気づきながら、忘れたふりをして生きていた人たちが、同じような人たちを殺したくて殺して欲しくて、殺し合っている。女の子も、殺し合ってる人たちも、誰一人正しい人はいない。こういう罰なのかもしれないな、人類自体への。
罪悪感のない世界。
事前に評価をチェックしていたので、するりと読めた。
途中からSFというか、SFミステリ?
というのを踏まえた上で読み、そこまでのSFでもないのかなという印象。
終盤の怒涛の展開にワクワクした。
佐藤友哉さんが好きで、まだ読んでいなかったものの中で、短くさらっと読めそうだなと思い、選んだ。
200ページ弱で、さらっと読める。
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