「ブランドのなかのブランド」と呼ばれるエルメス。圧倒的に高価でありながら異常なまでの人気を得た背景には、高水準の職人技術はもちろん、徹底した同族経営、巧みな広報・商品戦略があった。馬具工房としての創業から170余年、「伝統」と「革新」を織り交ぜながら発展を遂げた「最高級ブランド」の勝因を、日本との関わりに注目しつつ多角的に分析。日本のブランド・ブームについても考察した、ブランド文化論。
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1800年代発祥の歴史あるブランド。
著者が取材を申し込んだ際、「我々はブランドではない、職人の集団」と言われ断られたそうである。
高度な技術と、最上級の素材で作り上げた商品が、その時代のインフルエンサーに使用され爆発的な人気を得た。以降もその立場にあぐらをかくことなく、職人の研修、世界の伝統文化を保持するための文化的支援活動、そして企業存続努力をを惜しまなかったエルメス。「自分たちが変わらずに自分たちであるために、何を変え、何を変えないか」を徹底し守り続けた結果、今のエルメスがある。ブランドという表現が手っ取り早いが、この本を読んでエルメスを「ブランド」と表現するのはかえって「失礼」という気すらした。
一方で、本書にも書かれている「一見の客に対する高圧的な態度」がもし本当なら残念である。現在のトップはそれを望んでいるのか、エルメスのステイタスが一人歩きしてそのような雰囲気を作り上げてしまったのか。上得意の顧客だけでもいいのだろうか?
そもそも、商品の流通量が極端に少ない上に、価格も非常に高い。なので、一見客も容易く購入できない状態であるのなら、すこしくらい愛想をよくしたところで、エルメスが庶民的ブランドに落ぶれることはまずない。エルメスに興味を持って店舗に訪れた客に、感じよく接したところでエルメス側も何も損することはないのに・・・と考える。
エルメス製品を持っている、またはこれから何か買おうと思っている、全ての人に読んで欲しい。
私は、エルメスの指輪が欲しいと思った。他のブランドのように、ふらりと店舗に訪れて購入できればいいのだが・・・。
エルメスの歴史、思想などについての知識を得ることができる本。
ヴィトンと違うな、と感じた点はヴィトンが徹底的なマーケティング戦略の結果、現在の収益をあげているのに対し(よい物つくり&高品質、という前提はもちろん有り)、エルメスは、ある一貫した思想を貫いた結果
今のステイタスを得た、というところ。
あくまで個人的な考察ですが。
ブランドに魅力を感じる理由は人それぞれなので、本書の後半のように一概に世代や所得でグループ分けをしてしまうことには抵抗はあります。
ブランド品だと意識して手にするのであればそのブランドの歴史や思想を理解した上で、と感じています。
そういった意味でエルメスを知りたいと思う方にはオススメ。
エルメスの伝統と確信、そのイメージ戦略。いかにブランドたらしてめいるかについて書かれた本。具体的で面白かった。
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