1,496円(税込)
「戦費調達」の絶対使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五。彼らを待ち受けたのは、急速に進化した20世紀初頭の金融マーケットであった。未だ二流の日本国債発行を二人はいかに可能にしたのか? 当時の市場の動きを辿ることで外債募集譚を詳細に再現し、全く新たな日露戦争像を示すーーこれはもう一つの「坂の上の雲」だ!
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戦争するのってめちゃくちゃお金がかかる。銃弾一発もタダではない。当時の日本は明らかに資金不足で戦争を続けるには外国からの外貨調達が必須だった。政府から命じられて欧米に向かった高橋是清氏と深井英五氏。日本の財政事情に止まらず、英ポンド中心の国際金融市場、ユダヤ人たちの思い、モルガン家の勃興など様々な視点から全く新たな日露戦争像を示す、金融版「坂の上の雲」。最後までドキドキしっぱなしで読み応え抜群の良書。
日露戦争の影の英雄、高橋是清による日露戦争開始後の苦難の資金調達の戦い。新興国日本というベンチャー企業の資金調達の物語としても読める。
日英同盟とはいうものの、商売は別ということ。その現実を飲み込みながら、英米の投資家から投資を受けるために、走り回る。
戦争遂行に戦費が必要なのは自明だが、ビジネスの側面がついて回り、投資家との駆け引きがなされる。英米の投資家の熟練が見てとれる。
また、日露戦争の時点においても、米国が英国から金融覇権を奪い取ろうと力を蓄えているのがわかる。
日露戦争の前後、戦争を始めると物資の調達が必要で、物資の一部は輸入に頼るために対外支払いが必要になる。当時は金本位制が採られていたので『じゃぁお金をたくさん刷りましょう』というわけにもいかず、金(gold)が必要になる。自力で急に外貨が獲得できるようになる訳でもないので、足りない分は借りて賄わなければならない。
借りる?誰が?誰に?という段で、特命を受けて欧米渡った人たちと、それを迎えた人たちの話。
目的は戦争遂行のためだし、借り手は極東の新興国、ロシアの行く末はヨーロッパの国々の均衡に影響が大で、差別や偏見なんて言葉があったかどうかも分からないくらい当たり前のように見下されている。こんな具合のとても政治的な借金の交渉記録を、1日単位で見て行く。
『契約調印日の朝にようやく米国側からOKの返事が来た』みたいな綱渡りの仕事を実生活でもしているためか、刻々と変わる状況を追体験しているような気分。卑近な話ですが。
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