1,232円(税込)
近代より続く『石油の時代』にあって、石油を持たない国・日本は 「資源外交」に身を投じるしかなかった。そこは国同士がエゴを剥き出しに衝突し、謀略を巡らす現場。莫大な時間と金、時には人の命も費やして、いったいこの国は何を得てきたのか? 日本の行方を左右した交渉、開発、投資ーーその僅かな栄光と数多の蹉跌。
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第39回ビブリオバトル〜明石の陣〜テーマ「あぶら」で紹介された本です。オンライン開催。
チャンプ本。
2021.12.9
日本の資源外交史を石油に的を絞り、第二次大戦前から本書が書かれた2015年まで追いかけている。数あるエネルギー政策の中で石油に特化することで話を掘り下げて、話を無用に拡散させないように簡潔にまとめる意図で書かれているのだと解釈した。
資源を持たない日本が石油を巡る外交に戦前も現在でも右往左往させられていることがよく伝わってくる。その最大の壁は「ワシントン・リスク」であり、日本のあらゆる政策がアメリカ追従になる背景(の大きな要素)となっている。自前で石油の調達に動こうとした田中角栄がロッキード事件で失脚したくだりについてはあえて本書では深入りしていない。
石油だけに目を向ければ、アメリカの石油メジャーのパワーがアメリカの政策を動かし、それが世界に大きな影響を与えていると印象付けている。巨額のカネが動く所にアメリカあり…だが、他のエネルギー政策と政治関連の本も読んでみたいと思った。そうすれば、昨今のウクライナ情勢もまた別の見方ができるかもしれない。
スケールこそ全く違うが、「戦略物資をどう調達して自国の発展に活かすか」を巡る行動は自分の仕事にも通じる要素がある。漫然と目先の忙しさに追われてしまうのではなく、業界全体の動向やら各社の戦略やらを広く情報を掴んでおく必要がある、と学んだ。
●サブタイトルにあるように、日本の石油政策は苦難の連続だった。日本が石油を求め、どのような道を歩んだかを丁寧に解説した一冊。
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