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謎とき『悪霊』(新潮選書) (新潮選書) [電子書籍版]
亀山郁夫

1,496(税込)

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商品情報

  • 著者:   亀山郁夫
  • レーベル:   新潮選書
  • 発売日:   2013年02月22日
  • 出版社:   新潮社
  • 商品番号:   4340008009441
  • 言語:   日本語
  • 対応端末:   電子書籍リーダー, Android, iPhone, iPad, デスクトップアプリ

商品説明

内容紹介

現代において「救い」はあり得るか? 究極の「悪」とは何か? そして、「神」の正体とは?……。「スタヴローギンの告白」3つの異稿を読み解くことで、これまで語られることのなかった、人間性の本質を問う試みが見えてくる。『罪と罰』『カラマーゾフ』『白痴』の「謎とき」シリーズから20年、亀山版「謎とき」の登場!


商品レビュー(4件)

総合評価
 4.00

楽天Koboのレビュー

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ブクログのレビュー(4件)

  • 投稿日:2020年07月03日

    亀山さんはとにかく『悪霊』という作品を理解したいんだろうと思う。それもそれなりに十分な根拠を持って。
    どうしてこんなことを書いたのか、どうしてそれぞれの人物はこんな出自・性格に設定されているのか、作者がどんなつもりだったかをまずあたるには創作ノートが重要だろうし、現代ロシアの研究者の見解も参考になるだろう。作者の執筆当時に置かれていた状況も、過去にあった事件も考慮に入れる必要がある。
    といった具合にふくれあがっていったのが、他の「謎とき」シリーズにくらべてもだいぶ分厚い本作品なのだと思う。いろいろ参考になって興味深く、面白い。

  • 評価5.005.00
    投稿日:2013年08月20日

    ドストエフスキーの小説の中でも『政治小説』という意味あいでは最大の問題作といえる『悪霊』。長年この小説に魅了され続け、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』の新訳を手がけた亀山郁夫氏による解説の決定版です。

    『一切はスタヴローギンの性格にあり、スタヴローギンがすべて』

    『私は彼を自分の魂から取り出してきました』

    世界文学史上にその名をとどめる屈指の問題作。ドストエフスキーの『悪霊』。『ネチェーエフ事件』という当時起こった内ゲバリンチ殺人事件に材を採り、ロシアに蠢いていた革命家たちを徹底的にパロディ化することを目的に描かれた小説は、現代の世の中にとっても決して色あせることなく、その禍々しいまでの魅力を放ち続けております。本書は『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』の新訳を手がけ、その生涯の中に『悪霊』の存在があったといわれる亀山郁夫氏による『謎解き』です。

    『悪霊』そのものも膨大な量でございますが、いやはや。本書もまた重量級で、いかにあの作品の持つ『重さ』がわかったような気がいたしました。創作ノートを丹念に読み解くことによって原型である『偉大な罪びとの生涯』からいかにわれわれが現在読むことのできる『悪霊』に物語および登場人物が『変遷』していったのか?当時の革命家たちにとって『スイス』が彼等にとっての『思想』の『射撃場』であったという衝撃的な事実。ギリシャ語で「十字架」の意味を持つスタヴローギンとは一体何者であるのか?そのモデルの考察も面白いものがありました。

    スタヴローギンの『教育係』であり彼の母親であるワルワーラ夫人と長年の『友情』を育んできたステパン・ヴェルホヴェンスキー氏の人生や、彼の息子であるピョートル・ヴェルホヴェンスキー氏および彼の『仲間たち』が帰郷し、スタヴローギンが海外で結婚したというマリアとの事実関係をめぐったシャートフによる殴打の裏で何を感じていたのか?ここに彼の悪魔的超人の片鱗が見え隠れしてくるのです。さらにスタヴローギンは自分のうちにあるまったく相反する思想「ロシア・メシヤ主義」と「無神論に端を発する人神哲学」をキリーロフとシャートフに吹き込むのです。これがあとで恐ろしい運命を彼等にもたらすのですが…。

    スタヴローギンは脱獄囚のフェージカに遭い、カネをばら撒きながら
    「これからは殺しもやれ、盗みもやれ」
    と自分の妻とその兄を殺すように「そそのかす」のです。結果、その目的は達せられ、現場に言ったリーザは集団発狂した群集に撲殺されるという悲劇的な最期を迎えます。さらに、革命を起こそうというピョートルは「血の結束」を図るためにシャートフは殺され、キリーロフはその罪を一身に背負って自殺していくのです。

    ここまで書いていてあまりの重さに筆が鈍るのですが、やはり、この本における最大の考察箇所は
    「14歳の少女を陵辱した上に彼女を自殺にまで追いやる」
    というムチャクチャな内容のせいで、半世紀以上も日の目を浴びなかった『チーホンのもとで』の中にある「スタヴローギンより」と銘打たれた彼の告白でありましょう。この告白がルソーの影響を受けていることや、『福音書』をもじっているという神を冒涜するような内容に恐れおののきながら解説を読み進めていると、マトリョーシャが母親に折檻されるときにそれを『黙過』しながらマゾヒズムという倒錯的な快楽に浸っていたという衝撃の事実。死に向かっていくマトリョーシャを窓から『眺め』きっちりと時間を計って彼女が縊死を遂げた現場に行き、一切のものを「のぞき見る」という行為の浅ましさ!これは19世紀の事情を考えても公開するのは難しかったでしょう。

    そして、罪深きスタヴローギンの最期もこれまたマトリョーシャと同じく縊死というおぞましい死に方で、なおかつその場所が屋根裏部屋という設定はまさにロシアという大地をとことん嫌い、死したとしても大地に横たわることを拒否したかのような、という記述になんとも言いようのないものを感じずにはいられませんでした。こういう解説ものを見てから『悪霊』本編を読むか。それとも、すべて本編を読み終えた上でこういった『解説物』を読んでいくか。どちらが正しいかはわかりませんが、とりあえず僕は前者の方法で、このすさまじく重い小説を読み進めて行こうと思います。

  • 評価3.003.00
    投稿日:2013年07月03日

     先月ドストエフスキーの『悪霊』を読んだが、謎だらけでいまいちよく理解できなかったので、解説書として本書を選択。想像以上の膨大な情報量にますます頭が痛くなった。

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