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第170回直木賞受賞作
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己は人間のなりをした何ものかーー人と獣の理屈なき命の応酬の果てには。明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!
死に損ねて、かといって生き損ねて、ならば己は人間ではない。人間のなりをしながら、最早違う生き物だ。明治後期、人里離れた山中で犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、ある日、血痕を辿った先で負傷した男を見つける。男は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていたと言うが…。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果てはー令和の熊文学の最高到達点!!
河崎秋子(カワサキアキコ)
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で15年度JRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。他書に『絞め殺しの樹』(直木賞候補作)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
なんでこれが直木賞。不快感がある文章。ブックオフでは50円以下の査定でした。
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名作を早くに買うことが出来ました。
満足です。
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内容は言えませんがとても面白いの一言です。
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北海道の山奥に一人住まう男、熊爪の死生観と生き様が描かれている。最期は意外な展開だったが。生きるとは...。"命を余すことなく使いきる"その作法も描かれているのではないかと感じた。
ヒグマとはどういう生き物なのか?chatGPTさんに聞いてみました。
体重と大きさ:
成獣のオスは120~300kg、最大個体は500㎏近くになることも。体長は2~3mほど。
走力:
時速50km以上で走ることができ、短距離なら馬や人間よりも速い。
泳ぎ:
優れた泳ぎ手で、湖や川を渡ることができる。
咬む力:
噛む力は約800~1200kg/cm²で、骨を砕くほど強力。
爪:
長さ8~12cmの鋭い爪で、木を削ったり、一撃で大型動物を倒すことも可能。
腕力:
前足の一撃は500kg以上の衝撃があるとされ、牛の頭蓋骨を砕くほどの力を持つ。
いや、凄まじいですね。彼の地の複雑な食物連鎖の頂点に君臨する、まさに殺戮の王です。ことさらに肉食を好むわけではないそうですが。
ヒグマから見ると1/5程度の体重、柔らかい皮膚を持ち、爪も牙も毒も持たず動きも遅い人類が対抗するなど、初期のイキリヤムチャがフリーザにケンカ売るみたいな結果になるでしょうが、それができる人間もいるんですね。
この小説で、小説技法的な誇張もあるでしょうが、完成された猟師というものがいかに人間離れした存在か知りました。すごいぞ。
思考方法が異質です。シンプル。
「自分は他の生き物の命を奪う存在だ」
そこに罪悪感などありません。
殺して、喰う。または売って弾丸と米を買う。そしてまた殺す。
他の存在(動物、人間関係なく)は獲物かそうでないか、役に立つか立たないか、で判断。
自分の縄張りを犯す者には激しく怒り、人助けをしているように見えてもそれはヒューマニズムではなく自分の縄張りの保全のため。必要なら子犬でもちょっとしたものを片付けるように殺す。必要がなければ獲物がお腹さらして昼寝していても無視する。
北海道、白糠の山中の小屋に一人で常駐し、零下30度でも活動できる体力がある。
周辺の動物からするとその小屋は地獄の鬼が棲む巣に見えるでしょうね。人間というハンデを抱えつつも、あのヒグマをも狩ろうというのですから。一章の小タイトルの通り”冬山の主”です。白糠山中を仕切る頂点捕食者(トッププレデター)として存在しています。
最強同士の戦い(ジェノサイドキングかプレデターか)が、この物語の前半の主題です。
そして後半は、様々な理由でかつての自分ではなくなった「はんぱもん」たちがとも喰らいを始めるやや腥い展開となります。
主役の猟師から獲物を買い取る大店の主人に良輔さんという人が出てきます。いかにもな旦那衆で鷹揚な対応をしてくれ、猟師の話を聞きたがります。ちょうど本を読んでいる我々と同じ視点で、自分ならこんなことを猟師に聞いてみたいと思うことを聞いてくれるので実に気持ちがいい。前半は良輔さんの視点から物語を見ていく感じになります。
良輔さん、日露戦争へと時代が動く中で変化していくことになりますが、この人最後まで好きだった。とても人間らしい。物語の終盤で実にいいセリフを吐きます。
この物語で唯一、はんぱもんに囲まれながら己を貫き通した、名前すら与えられなかった「犬」の見事な生きざまと、はんぱもんたちのうろたえ蠢くグロテスクな姿の対比がとても印象的でした。
作中猟師の使う村田銃についてちょっと調べてみました。
村田銃:
薩摩藩の火器専門家、村田経芳がフランス、グレース銃をモデルに開発し、1880年(明治13年)に陸軍に採用された銃。
後に紙製の薬莢ではなく金属製に変更するなど当時としては世界でも最新鋭の銃だった。
(明治)13年式、16年式、18年式、22年式とあり、22年式のみ装弾数8発、それ以外は1発。
口径は11㎜、猟銃として使用されたのは主に13年式と18年式だった。
やはりというか、ヒグマ相手には威力不足も甚だしく、卓越した技術と精神力の猟師が至近距離でピンポイントの急所に当てないと斃せないそうです。
めちゃくちゃ凄い小説だった。
衝撃的だった。
生きることの全てが書かれている。
狩りや治療の細密な描写は気持ち悪くなって読めなかったけど、それ以外はぐんぐん読めた。止められなくなる。
気持ち悪くなる程の描写は、それがとても大事なのだ。命というもの、生物というもの、それをはっきりさせる。
冒頭長めにそれを持ってくることに意味がある。
3/4くらい読んだところでコロナに罹患して、入院中に読み終えた。
元気な時ならもう少し違う事も思ったかも知れない。
でも、説明とか感想とかは不要に思える作品に感じた。
爽やかな良い話、泣ける話、というのではないけれど、私はこの本は凄く良い本だと思う。姪と甥が読めるようになったら読ませたい。
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