680円(税込)
戦後12年目にシベリア帰還者から遺族に届いた6通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。
敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕らわれ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を敬慕する仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容所(ラーゲリ)に屈しなかった男たちのしたたかな知性と人間性を発掘した感動の傑作。第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)、第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)を受賞。
解説・吉岡忍
山本幡男。先のアジア太平洋戦争にてシベリアに抑留され,1954年にシベリアの収容所で病没。当時の日本は「もはや戦後ではない」といわれ高度経済成長への助走を始めていた・・・。
この史実を知らずにいた。シベリア抑留については,親しくしていた先輩が,ぽそっと自分も抑留されていたんだ,と20年も前になるだろうか,仰っていたことを思い出す。しかし彼は,決してそのことを詳しく話すことはなかった,いや拒んでさえいた。
その理由が,著者・辺見じゅん氏の丹念な取材とルポによって理解できた。
彼の最期の家族へのメッセージ,遺書が,収容所の友人たちが必死に暗記し,帰国後に記憶を文字としておこして家族-遺族-に伝えたことが取り上げられ,映画にもなった。しかし,友人が必死に山本の遺書を暗記し,家族に伝えたいと思うのは,生前の山本が「帰国の希望」を仲間たちに鼓舞し,自らもその希望を失わないために,句会をおこなったり季節ごとの行事を計画したりしたからである。
アウシュビッツから生還したフランクルと同じく,「希望を失わないこと」「失わないための行為」を自らとった山本幡男は,もっと知られていいだろう。
関心ある方は,幡男の遺児・顕一が著した次の本も是非。
山本顕一 「寒い国のラーゲリで父は死んだ―父、山本幡男の遺した言葉を抱きしめて」バジリコ(2022/12発売)
1人が参考になったと回答
日本人捕虜が極寒の地、シベリアでどんな生活を強いられてきたのかがよくわかりました。やはり戦争は人を人として見なくなってしまうものなのですね。地獄のような日々の中で生きる希望を多くの人に与えた山本さん。このような日本人が当時は何人かいたんだろうな。戦争を体験しているご老人はやはり強い!!
生きるために食べる、けど、食べる気力も無くなった時、さいごに生きる力を湧き上がらせるもの…そうですね、そうですよね!!と、胸が熱くなりました。
おすすめ。
#戦争 #感動 #衝撃的 #苛酷
書評 https://naniwoyomu.com/31709/
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