572円(税込)
80年の歴史に輝く日本最大の紡績会社華王紡に君臨する社長藤堂。会社へのひたむきな情熱によって華王紡の王国を再建し、絶対の権力を誇った彼が、なぜ若い腹心の実力者にその地位を奪われたのか? 帝王学的な経営思想をもつワンマン社長と、会社を“運命共同体”とみなす新しいタイプの経営者ーー企業に生きる人間の非情な闘いと、経済のメカニズムを浮き彫りにした意欲作。
まだレビューがありません。 レビューを書く
例えが適切ではないかもしれないが、スターリンを彷彿とさせる恐怖政治により地位を築いた藤堂と、運命共同体論をかざし現代的で合理的な経営者である矢吹。時代の流れによって理想的な経営者像も変化すると思うが、何かそれを感じさせるようなストーリーラインであった。最終的な敗者である藤堂自身も非常に個性的で魅力的な人柄として描かれており、痛快な逆転劇による爽快感というよりは、微かな同情が読後感として残る。
経営に近い立場に自分にとって反面教師となり示唆に富んだ一冊。常に広義のステークホルダー(従業員、サプライヤー、ライバル企業、、、なども含む)とWinWinの関係を築き上げる事こそが経営に求められている事かと。一人勝ちの経営ではいずれ破綻をきたすという象徴的な事例ですね。
ビジネスマンなら必ず直面するテーマ「会社は誰のモノなのか?」
1960年代の鐘紡(カネボウ)が題材とのこと。藤堂と矢吹という2タイプの経営者を描いているが、どちらが主役、善玉ということではなく、その対照から考えてみたい。
作中では、矢吹の運命共同体論が藤堂を退けることになったが、カネボウがその後、粉飾決算の泥沼に手を染めていくことを考えるときに、運命共同体が理想的な企業経営であると無邪気に考えるわけにはいかないだろう。
ではやはり企業は株主のものか?
マイクロソフトやGAFAのような巨大プラットフォーマーに経済が寡占化され、オーナーの資産が膨れ上がり、租税回避や離婚騒ぎを見るときに、企業は株主のモノであると無邪気に主張できる人はどのくらいいるのだろうか。
「企業は誰のモノなのか?」資本主義で生きるうえで永遠のテーマである。
ランキング情報がありません。
ランキング情報がありません。
電子書籍のお得なキャンペーンを期間限定で開催中。お見逃しなく!
※1時間ごとに更新
原 浩
792円(税込)
佐賀崎しげる
1,430円(税込)
顎木 あくみ
726円(税込)
トール
1,430円(税込)
伏瀬
1,100円(税込)