戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奧に響く痛ましい叫びーー悔い改めろ! 介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味……。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る! 全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
この筆者の他の作品はブルーしか読んだことがありませんでしたが、こちらは更に暗く深く掘り下げた作品。考えさせられる問題を扱う作品です。
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42人を殺した殺人、の文言から壮絶なドラマを想像しましたが、介護に関する社会的問題をしっかり考えさせられ、殺人を処置と呼び、介護であると主張する犯人の言葉にどう反応すれば良いのか?いろいろとささる作品です。
友人に読んでみて欲しいと言われ全く予備知識も無く読んだのだが、軽い気持ちで引き受けた事を後悔する程に苦しい読書体験となった。
タイトルから分かる方もおられるかと思うが、介護問題を徹底的に突き付けてくる。
「やまゆり園事件」を想起させる内容だが、真っ先に浮かんだのは「利根川心中」と名付けられた、両親と共に川に飛び込み、結果的に両親を殺害してしまった事件の方だった。
母親の介護で貯金も底を尽き、父親に一緒に死のうと言われ実行してしまった悲しい事件だ。
本作に登場する斯波宗典という介護士の語る厳しい現実は、年々深刻になっている。
我々が中年になる頃には想像もしたくない事態に陥っているのではないだろうか。
格差社会は介護の問題にも影響を及ぼす。まざまざとそれを突き付けられた。
老後の為に働いて得た金を無駄遣いせず貯めるだけの生活など、どこまで耐えられるのだろうか。
もしかすると、そう遠くない未来で第2、第3の植松が現れるかも知れない。
それは非常に悲しい事だ。
本書を国会議事堂に必読書として何冊か置いておきたいと、幼稚な事まで考えてしまう程に危機感を覚えた。
安全地帯から社会問題を眺めていた自分の解像度の低さが恥ずかしくなる作品だった。当事者の苦しみがリアルに迫り、想像力を欠いたまま正義を語ることの浅はかさを痛感する。ミステリーとしても驚く展開が続く。社会派テーマとサスペンスが見事に絡み合った一冊。
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