「一度会いに来るよ」ーー愛しい夫の言葉を頼りに、夫の故郷を訪ねた妻が満開の桜の中に見たものは……。美しく妖しい味わいの表題作ほか、白い蜘蛛とも、白い蟹とも、白い手首とも見えるものが、月光の下を這いまわる不気味な感触の「白い蟹」など、新鮮なアイデアと巧妙な仕掛けが生きる12編。きっと泣ける純愛ホラー。達人アトーダの名人芸をたっぷりお楽しみください。
まだレビューがありません。 レビューを書く
素敵な本だ。
やはり阿刀田高らしくぞくっとする話が多く、好奇心が強くそそられるのだが、この本の表題にもなっている最後の『花あらし』で今までさんざん高くなった心拍数を 切なくも美しく鎮めてくれる。終わりのキレの良さに物足りなさを感じつつも少しずつ少しずつ人を思う気持ちが桜のきれいな薄ピンクとともに心に浮かび、何とも表現しがたい哀愁が漂う。素晴らしい短編集。
短編集だった。ブラックユーモアとか、純粋ものとか…歴史ものとか、短いからちょっとずつ読むのがいいかも。
新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/7/17〜7/20
阿刀田氏の短編集。「迷路」、「白い蟹」、「選抜テスト」、「暗い金魚鉢」、「予言の研究」、「第二の性」、「すきま風」、「明日の新聞」、「杳として」、「大心力」、「鰐皮とサングラス」、「花あらし」の計12編の氏特有のブラックかつエスプリに富んだ作品が並ぶ。個人的なお気に入りはロマノフ王朝の最後を題材にとった「白い蟹」、愛人ができ妻の死を願う主人公の悲哀をえがく「大心力」、死別した夫に想いをはせる「花あらし」の3編か。解説の黒井千次氏も「白い蟹」、「花あらし」をベスト1,2に挙げていた。だからどうってことは無いが、私の読み方もそう外れていないのだろう。
ランキング情報がありません。
ランキング情報がありません。
電子書籍のお得なキャンペーンを期間限定で開催中。お見逃しなく!
※1時間ごとに更新
顎木 あくみ
726円(税込)
佐賀崎しげる
1,430円(税込)
トール
1,430円(税込)
宮島未奈
1,705円(税込)
阿部智里
1,700円(税込)