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現実味を増す台湾有事に備え、自衛隊の元最高幹部たちが「有りうるかも知れない有事の形」をシミュレーションしてみた。シナリオは、グレーゾーンでの戦いの継続、物理的な台湾の封鎖、全面的軍事侵攻、終戦工作の4本。実際に有事が発生したら政府は、自衛隊は、そして国民は、どのような決断を迫られるのか。リアルなストーリーを通じて、「戦争に直面する日本」の課題をあぶり出す。
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台湾有事を起こす利点はなんだろう、というのが釈然としない。経済的には合理性がなさそうなので、完全に政治的な動機になるだろうか。半導体などの資源や技術封鎖は技術者の引き抜き等で対処、市場の大きさからも相互に不利な点が多く、大衆も日本同様にインターネットやスマホなどのエンタメで骨抜き。民主化運動は軍部の威圧でコントロールするし、そもそも一党独裁は簡単には崩せない。つまり党内の派閥争い、あるいは、アメリカやその背後の思惑が暴走するという感じになるのだろうか。
これは読む前の考えで、動機については読後に何か変わったというと、正直あまり変わらない。動機よりも、もし有事が起きたらどうなるかが本書の視点だ。その点では、元自衛隊幹部によるシミュレーションや、その検討に対する批評が本書の面白さ。
ー 台湾に対しては、2018年の統一地方選挙で大規模な介入が行われたといわれる。この選挙では、与党民進党候補が国民党候補に相次いで敗北したが、特に高雄市長選挙で野党国民党の韓国候補が事前予想を覆す形で当選したことが注目される。この選挙では、中国政府が関与するネット部隊が、フェイクニュースの拡散や韓候補のSNS支援を大規模に行った。この結果、韓候補を支援する「韓粉」と呼ばれる熱狂的な支持者が突如大量に現れたと分析されている。なお、韓高雄市長は2020年6月のリコール投票成立によって罷免された。台湾では2020年の総統選挙が迫る中、中国による世論浸透を防ぐために、2020年1月から「反浸透法」が描行されている。
反中に寄り過ぎないようロビーやサイバー攻撃をする。これが行き過ぎて政治介入され、アメリカが黙っていられなくなれば、シナリオは発動するのかも知れない。本書のシミュレーションでは、情報封鎖でパンデミックが発生した台湾に内政干渉するなみたいなはじまり。SF小説みたいだ。
それに対して日本は巻き込まれるが、出来ることは限られるし「内閣法制局の呪縛」も含め、直すべき所を直さねばならない。こうした具体的な議論も含めて面白い本だった。
結構ポンポン専門用語が出てくるので、そこは改めて調べる必要はあるのかなと。
ただ、今の台湾を取り巻く環境や、有事の際にどういうことが起こりうるのかということがよく分かり、危機感を抱いた。
「国防は国民の意識以上には高まらない。」
平和ボケしている場合じゃない。
前半部は台湾戦争の経過が、合理的な分析と想定に基づいて描かれ、想定であるが現実的にこのように推移していくだろうなと納得できるほどリアリティがある。台湾戦争は現時点の感覚では非現実的であるが、突然ウクライナ侵攻が勃発し、東日本震災の非日常が突然目の前に現れる現実を見れば、台湾戦争は決して虚構の話ではないと思われた。想定を見れば、台湾有事は現実に起こらないことを前提に計画、法制、訓練、軍備の不備明らかにされているが、現実の危機として国民を含めた国全体で考える問題と思えた。
後半部の座談会は話が専門的になり過ぎて実感が湧かなかった。
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