
吉野葛の原料は山の中に自生するくずは藤の根の中にあります。夏に朝顔の葉に似た藤の葉から葛澱粉が合成されて冬には地下の根の中に蓄えられます。
葛は秋の七草としても有名なマメ科の植物です。根には澱粉を多量に貯蔵しており、そこから葛粉(くずこ)を採取します。「くず」の名は吉野にあります地名の「国栖(くず)」に由来します。国栖は手漉き和紙や割り箸作りなど有名で、葛作りと同じように伝統が息づく村です。
吉野葛は消化が早く、栄養が豊富で低カロリーですので女性の方に特におすすめの体にやさしい食材です。
吉野葛ができるまで
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くずは藤の根を掘り起こし葛根粉砕機にかけて細かく砕きます。
砕かれた根を寒中の水で洗い、この中の澱粉質が分離され、沈殿した物が粗葛といわれ吉野葛の原料となります。
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粗葛は楢に入れられ哂場に運び、半切という桶の中にわけて入れられた粗葛は先ずゴミを除かれて次第に美しくなっていきます。
水に溶かれて沈殿する作用を十数回繰り返し黒い部分や灰色の部分は切り捨てられ最後に純白色の吉野葛となります。
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他の澱粉質とは異なり非常に粒子が細かい為に凝固しています。
手にさわってもすべすべとした感じで他の澱粉のようにザラザラした感じはありません。半切から上げられた葛は適当な大きさに割り約2ヶ月間室内で乾燥し製品となります。
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手間と時間をかけて出来上がった吉野葛。この白く美しい葛が葛餅や葛きりに生まれ変わります。
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