なぜ、カッとなると後先のことを考えず、女であろうが容赦せず、思うさまに怒りを爆発させてしまうのか──。同棲する恋人への暴言、暴行、燃えたぎる憤怒が鎮火した後の激しい後悔と罪悪感をも描く五篇。二度は戻れなかった生育地への、長年心の奥底に引っかかっていた残影を描く一篇。平成の無頼派真骨頂の最新私小説集。
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相変わらずフェミニストが読んだら激昂しそうな内容。貫多がキレて御託を並べて結局は手を出すところが、歌舞伎の大見得じゃないけど、そこが読みたくてとにかく読んでしまう。とくに屁理屈が面白い。読んでいると、流石に手を出したことはないけど、自分の中にもソフトな北町貫多がいる気がする。
秋恵に対して爆発するまでの貫太の心の動きがよく分かる。秋恵からしたら貫太の怒りは理不尽でしかないということを、貫太自身理解したうえで、なお感情を抑えられない、そのこと自体を仕方のない事と諦めているところに、秋恵との破局の時がそう遠くないことを予感させる。
西村賢太さんの作品を読んだ方ならもうお馴染み(あまり馴染みになりたくないのですがw)、これでもかというDV癖の描写。「痴者の食卓」、2015.7発行。人工降雨、下水に流した感傷、夢魔去りぬ、痴者の食卓、畜生の反省、微笑崩壊の6話。気のいい女性、6歳下の同棲相手、秋恵への北町貫太の一方的な暴言と暴行。打擲(ちょうちゃく)、足蹴、髪を掴んでの引きずり廻し。そして、いつも、あとから反省。その繰り返し。話の展開はともあれ、微笑崩壊で鶯谷の「信濃屋」が舞台になっていて、これは嬉しかったですw。
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