660円(税込)
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浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする十歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持の揺れをしみじみ描く連作長編。
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本所しぐれ町を舞台に市井の生活を描いた作品。ありきたりの日常の中の陰影を垣間見え、味わいはあり、ある一編では主役が他の一編では脇役で登場するなど江戸時代のとある小さなコミュニティを切り出してみました、という作品。
たくさんの登場人物が時には主演を、また別の時には助演をと、お話ごとに入れ替わりながらしぐれ町の人々それぞれの日常を大きく描いているのがとてもいい感じでした。人それぞれの日々が重なり合って日常がある。人の暮らしや町の有り様ってそういうものなんだよ、とあらためて感じさせてくれる物語でした。
しぐれ町という架空の町に住む人々の暮らしには、諍いあり、浮気あり、身売りあり、泥棒あり。だけど目を覆いたくなるような凄まじい出来事までには至らないでいるところは読み終わって何かホッとする安らぎのようなものを感じられて、とても良かった。そういう凄まじい出来事も現実の人の暮らしの中に時にはあるのでしょうが、この町の物語は架空の物語なのですから、これくらいのところで収まっていることで読後のじわじわとくるやさしい気持ちにちょうどいいんじゃないかと感じています。
江戸の市井の人々の悲喜交々を描く連作長編。わずか十歳の少女が死んだ父親の借金のために自ら女郎屋に身売りする『約束』は読んでて辛かったが、作者はちゃんと少女に救いの手を差し伸べる結末を用意していた。よかった(^^;;
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