440円(税込)
風のように去ってゆく時の流れの裡に、人間の実体を捉えた「風立ちぬ」は、生きることよりは死ぬことの意味を問い、同時に死を越えて生きることの意味をも問うている。バッハの遁走曲(フーガ)に思いついたという「美しい村」は、軽井沢でひとり暮しをしながら物語を構想中の若い小説家の見聞と、彼が出会った少女の面影を、音楽的に構成した傑作。ともに、堀辰雄の中期を代表する作品である。
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難しい話だったけど読めば読むほど情景や心情が浮き出てきて気持ちよかった
風立ちぬの最後で主人公が幸せ、幸福について考えるとこが良かった
生と死をすぐ側に感じながら流れていく日々、自然。「悲しみに似たような幸福」
どこか夢のような香りのする作品、、と感じたりもしたが、主人公の感情の機微は美しい自然の描写とともに痛いほど伝わってくる。
美しい大自然のなかで、儚く逝ってしまう大切な人の命。
サナトリウムで過ごした二人の日々は、ずっと病の影が付き纏うなか、それでも静寂さに包まれた平穏な日々であった。
それを幸せと呼んでいいのか分からないが、僅かな時間であっても、お互いに想いあい生きる瞬間があったことは確かだ。
生きたいという節子の願いと、節子に先立たれてからも生きなければという主人公の青年の思い。
文章の美しさが、切なさをより増幅させている。
切実な想いがヒリヒリと伝わってくると思っていたら、節子のモデルが著者自身の妻であったんだね。
二人の生きる姿勢から、日々の生活のなかに小さな幸せがたくさんあることを忘れてはいけないな、と思った。
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