440円(税込)
夢みたいに流れる風景にみとれた私は、原付バイクごとあぜ道へ突 っ込む。空と一緒に回転し、田んぼの泥に塗れた19歳だった私と、14年後の私がつかの間すれ違う。互いの裸を描き合った美術講師の房子や、映画監督の夢をかかえて消えた友の新之助、そして旅先で触れた様々な言葉。切れ切れの記憶を貫いて、ジミヘンのギターは私のそばで静かに発火する。寡黙な10代の無二の輝きを刻む物語。(解説・近田春夫)
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個々の登場人物とのエピソードに滋味がある。特にジャンベという太鼓を叩く蒲生さん。激しく叩くのではなく、ほとんど叩かず、闇の中に溶け込む静寂を奏でるよう。その静謐さがいい。どこか夜のキャンプで焚き火を見つめているような感覚になる。桃江先輩との恋の果ての「fire」も分かりやすく拗れた青春を描き出している。エレキギターを粉砕して燃やすような青春があったならいいなと思った。
芥川賞の嬉しいところは本が薄いこと。じゃなくて、芥川賞に関しては私が薄い本を選んでいるだけでしょか。本作は受賞作ではないけれど、選考会ではそこそこ推されていた模様。確かに芥川賞っぽい。『ボヘミアン・ラプソディ』を観てレイ・フォスターの「ジミヘンと働いたこともある俺様が」という台詞が頭に残っていなかったら、書店でこの本を手に取ることはなかったかもしれません。
19歳、原付でちんたら走った東北の旅を振り返る。東日本大震災やアメリカ同時多発テロがいかにもという感じで絡められている小説は正直言って苦手ですが、本作はとてもさりげなく、でも読者の意識の内には残るような描写に好感。
ちょうど誉田哲也の『月光』を読んだ直後だったから、同じ教師と生徒(性別は『月光』と逆)でもこんなふうに描かれていれば笑顔。美術教師と生徒がお互いの裸体モデル、しかも生徒側は仲良し2人組がフルチンで肩を組んでなんてところを想像すると可笑しい。
歳を取り、思い出さないこと思い出せない記憶は何処へ。
初滝口。うーん、可もなく不可もなくって感じ…。名前だけは知っていた、ジミヘンのことを少し知れたことがプラス…かなぁ?今後はもう読まないと思います(^^;
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