660円(税込)
死と隣りあわせで人は何を食べるのか? 戦場からの中継でお馴染みのジャーナリストが食べることに拘り、世界の紛争地に生きる人たちの実態を迫真レポートする。雪山行軍中のアフガン・ゲリラとかじったナンの味、食料がないながらも「食う」ことに貪欲なサラエボの市民たちの姿、闇のなか手づかみで味わうアチェのココナッツカレー、そしてイラクでは日本人の死に間近に接し改めて「生きる」ことについて考える……。
まだレビューがありません。 レビューを書く
著者が初めて戦場取材に赴いたのが24歳。イラクで拉致された日本人男性も当時24歳。その死を確認する役はここで書かれている以上に辛いものだったと想像する。
地震などの天災ように突然全員が被災するのとは違い、一般市民にとって戦争の始まりは分かりにくく、気づいた時には巻き込まれて抜け出せない、ということなのだろうか。
1980年代のアフガニスタン紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やイラク戦争、そしてシリア内戦などを取材したジャーナリストが、両軍が命を賭けて戦う場所で「メシを食う」人たちの姿をレポートする。イラクで空腹を満たすためだけに食べた「カップ麺」や、カブールの武装勢力に取材フィルムや機材などを車ごと奪われた直後に食べた「葡萄」など、食材そのものは平凡で決して「戦場グルメ」を特筆したものではないが、砲弾の飛び交う中で死と隣り合わせという状況にも関わらず、平然と食事をする兵士たちや一般市民の強さ・健(したた)かさが描かれている。
数々の戦場を巡ったジャーナリストが、取材先での食にまつわるエピソードをまとめている。
戦闘下であっても何であっても、人間は食べなければ活動できないし、生きていけないのだが、ニュース映像を見ているだけだと、そういう「生きるための営み」が当然あるということを忘れてしまう。
そこにものを食べて、生きている人間がいるということを感じられない。
著者は、実際に戦場の取材中にどんな人々とどんなものを食べて過ごしたのかを書いている。
そこに人がいて、何かを食べている。
戦場でも、人間生活の当たり前のことが行われているということを思い出す。
ランキング情報がありません。
ランキング情報がありません。
電子書籍のお得なキャンペーンを期間限定で開催中。お見逃しなく!
※1時間ごとに更新
200円(税込)
吉田愛
200円(税込)
栗原毅
495円(税込)
クックパッド株式会社
200円(税込)
200円(税込)