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国家は破綻するーー金融危機の800年 [電子書籍版]
カーメン・M・ラインハート

4,400(税込)

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商品説明

内容紹介

「1942年には、日本はその長い歴史の中で唯一の対外債務デフォルトを起こしたし、戦後インフレの際には、日本のインフレ率は最高で568%に達した。」

「1992年から始まった日本の『失われた10年』が特異なのは、アジアを始め多くの国の危機のようにリセッションが著しく深刻であるとか、失業率が急上昇したということではなく、力強い回復がまったく認められなかったことにある。」

「だが興味深いことに日本の『失われた10年』の全体像は、本書でも示すように、金融危機前後の年に多くの国が経験したこととさしてちがわない。民間の借り入れの大幅増と資産価格の急上昇に続いてマクロ経済の破綻と政府債務の急拡大が起きるのは、どれもきわめて典型的な症状である」(日本語版への序文)


「今回はちがう」シンドロームによるバブルの生成とその崩壊を契機に、銀行危機、通貨危機、インフレ危機を経由して対外債務・対内債務のデフォルトを引き起こしてきたのが金融800年の歴史。


商品レビュー(37件)

総合評価
 3.93

楽天Koboのレビュー

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ブクログのレビュー(37件)

  • 評価4.004.00
    投稿日:2024年01月25日

    膨大なデータから世の中の真理を見抜くという点で、トマ・ピケティの『21世紀の資本』を彷彿とさせる。見抜いたのは何か。国家の会計における内在的論理、平たく言えば、金の貸し借りに関する挙動。

    日本は長い歴史の中で、唯一対外債務デフォルトを1942年起こした。戦後インフレの際には、日本のインフレ率は最高で568%に達した、という事実がある。ソブリンデフォルトとは、政府が対外債務、国内債務またはその両方の返済を怠ることだが、借金を踏み倒すとどうなるのか。

    信用がなくなる。つまり、国際資本市場にアクセスでき難くなる。資本市場にアクセスできれば、自国の農業生産が不作の年に外国から調達することができるし、景気後退のタイミングで更なる借り入れをすることもできる。こうした便益を考えれば、債務の履行を強制しなくても、きちんと返済しようとするものだと考えられる。つまり世界での借り手としての評判を気にしなければならない。

    企業や個人が破産した場合は、債務者の資産の多くを取り上げ、将来の所得に対する先取得権を設定することが認められているが、国家の破産の場合には、国家の貴重な財宝を取り上げるような事は相当に制限される。国がデフォルトを起こす主な原因は、返済能力ではなく、返済の意思である。

    国が廃業する事はなく、ソブリンデフォルトは単に金融の理由からだけではなく、政治的社会的に配慮した損得勘定に基づいて起こされることが多い。ルーマニアのチャウシェスクは1980年代の債務危機の際に、外国の銀行から借り入れた90億ドルの債務を国が貧しいにもかかわらず返済しようとした。そのため、ルーマニアの国民はほとんど暖房なしに冬を過ごし、工場は電力不足のため、操業短縮を強いられた。

    フランスは少なくとも8回対外債務のデフォルトを起こしている。スペインは18世紀末までに6回、19世紀に入ってから8回を記録。ギリシャ、オーストリア、ポルトガル、イタリア、プロシア、エジプト、ロシア、トルコも慢性的なデフォルトの経験を持つ。

    しかし、現代では、砲艦で脅して債務を回収すると言う事はできないし、費用便益分析をしても、巨額の支出とリスクに見合わないことがわかる。まして、借り入れがヨーロッパ、日本、アメリカに分散して行われているような状況でもあり、武力行使は行われない。

    主要国の金融危機は、住宅価格サイクルが重要な役割を果たす。金融危機前に実質住宅価格が急上昇し、危機発生年及びその後の数年間は下落すると言うパターンが認められる。

    通貨は、ほぼ不可逆的に数百年にわたって銀含有量を減らしてきた。不換紙幣へのマーチである。これは現代のインフレとあまり変わらない。

    非常に示唆に富んだ本であり、論文である。勉強になった。

  • 評価4.004.00
    投稿日:2022年10月27日

    金融危機による国家デフォルトにフォーカスしている。
    公的債務増加、金利上昇、インフレなど、現在の経済が示しているいくつかは、深刻な金融危機が始まるサインと言えそう。一方で、金融危機の増幅装置としての銀行危機はまだ始まっていない(発覚していない)。これが表に出てくるかどうか、報道を見ていきたい。直近だと、20221027 スイスの銀行クレディ・スイスグループが、証券化商品グループの大部分をアポログローバルマネジメントなどに売却すると発表。7-9月で6000億円赤字。10-12月も赤字予想。

  • 評価3.003.00
    投稿日:2022年06月05日

    壮大な財政史!800年分調べるって、ロゴフさんはスゴイ!
    米国の利上げ、トルコの意味不明な利下げ、中国のロックダウンと経済指標の信憑性のなさ、日本のMMT並みのバラマキ日銀緩和、、、
    それぞれが絡み合って大変なことに!なんて考えていたが、過去100年だけでもこれだけの国が破綻していて、、、、悩んでいる自分が情けなくなるくらいの歴史的真実。。圧倒された

    今回は違う!は間違っている。コロナ、ウクライナ紛争、グリーンウォッシングにからむインフレは、甘く見てはいけない。
    黒田日銀の出口には、相当に警戒して臨まないと、ヤられるかも?と、改めて再認識した。

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