なぜ「彼ら」はここまで無能で無力な存在になったのか。大震災と原発事故報道においても横並びの陳腐なネタを流し続けた新聞とテレビ。緊急時に明らかになったのは彼らの「脳死」状態だった。パクリ記事、問題意識の欠如、専門記者の不在……役立たずな報道の背景にあるのは、長年放置されてきた構造的で致命的な欠陥である。新聞記者、雑誌記者、フリーをすべて経験した著者だから下せる「報道の脳死」宣言。
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これも2012年ごろに出版されてる本、ようやく読み終わった。たぶん、このころ私はすでに烏賀陽さんをツイッターでフォローしてたけど、時々ふざけたことを言うカエルのおじさん・・という印象。真価を知ったのは、去年くらいから見始めた「一月万冊」でご本人を知ってから・・。安全保障のご本を読んでさらに「こういう方貴重だな」と思うようになった。動画でのおちゃらけにはついていけないところが多いけど・・。
前半「パクリ記事」「えくぼ記事」などの話も興味深かったけど、終盤のアメリカでの取材(インタビュー)に基づいたジャーナリストに関しての解説が良かった。今日、たまたま出先で地元の新聞社の若い記者さんをお見かけしたけど、こういう本読んで「ジャーナリズムとは何か」とかちゃんと考える方とか、おられるのだろうか?下手に読んだら、業務に差し支えると、敬遠されたりするかも・・といらぬ心配をした。
日本のジャーナリズムや報道のあり方については、海外の色々な国の人と交流を持つようになって、どうにかならないものかと思っていたので、書店で「報道の脳死」というタイトルを見かけて手にとり、目次にさっと目を通して面白そうだと思って購入、すぐに読んでしまった。
ジャーナリスト自らが報道の現状の問題点を分かり易く指摘・解説し、その原因についても過去から現在に至る報道の変遷も合わせ客観的に記述しているところに好感が持てた。
報道の現状と問題点については、私自身も考えていたことと同じような内容であり、これから先どうなっていくのか、どのような方向に進めばよいのか、どのようにしていこうとしているのかが一番知りたいことであった。
後半以降にそれに対する作者の考えが記されている。
現在は「旧メディア」に「新メディア」が勃興する「端境期」「移行期」にあり、新旧メディアとも色々課題を抱えているが、今後は新しいメディアや報道に対して記者だけでなく市民も一緒になって関わっていくことが重要だと、改めて考えさせられた。
●:引用 →:感想
●かつて朝日新聞の記者として、いまフリーランス記者として働く私が身をもって実感したのは、会社員=組織員ではない個人記者のほうが、はるかに即断即決、意思決定のスピードが速いことだ。3.11という進行の速い事件に対応すること。インターネットという技術革新の速いマスメディアを使うこと。どちらにもいえる。
→「原発報道とメディア」と同様、”「コンテンツ」(中身)””「コンテナ」(入れ物)””「コンベア」(流通)”を一人で行えるジャーナリストをつくることが結論。
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