1,496円(税込)
「本日敵出撃ノ算ナシ」ーー隠蔽されてきたこの敵情報告に油断して、空母四隻を誇る南雲艦隊は、暗号を解読し待ち構えていた米機動部隊に大敗北を喫した。生き残った戦闘員への丹念な取材を元に、山本五十六の構想から参謀や部隊指揮官の思惑、パイロットや整備兵の奮闘まで、戦闘の全過程を克明に描く壮大な戦史ノンフィクション。
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日米の人事の差も大きく感じる海戦の結果となった。
山本五十六→南雲忠一&草鹿龍之介へ作戦の目的・趣旨が正確に伝達されていなかった。
太平洋戦争開戦以来の戦勝気分からぬけておらず、またその後の敗戦の研究もされなかった。
少しでも研究分析をしていれば、この後の戦闘も幾分違ったはずである。
また、艦艇の沈没とともに司令官や艦長が沈んでいくのは理解しがたい。
兵士や幹部一人一人を育てるのにどれだけ時間とお金がかかるのかという根本も理解していないようである。
今まで知らなかった真実も知ることができたのが良かった。
「運命の5分間」などまったくなかった。
この敗戦の根本的な責任は山本長官も含め幹部全体にあると感じた。
この選書シリーズには珍しいノンフィクション小説。いよいよ後編にあたる本書では、具体的な戦闘の内容に入る。米軍機襲来がもう五分遅ければ、戦闘機の準備が整えられて適切な反撃も出来たとする「運命の五分間」という俗説を暗に全否定。そして戦後処理の「甘さ」を痛烈に批判している。いずれも共感できるところが多く、とても興味深く読んだ。
歴史は繰り返されるのだと改めて思った。ミッドウェー海戦は今から70年前の惨劇であった。この海戦敗北の事実を公表するかどうかで三日三晩対策にあけくれ、その結果大本営発表は虚偽に満ちたものになった。以降もミッドウェー海戦敗北の真相は軍関係者達によって、意図的かつ徹底的に隠蔽され続けたのである。同じことが2011年東日本大震災による福島第一原子力発電所事故における真相解明についても言えるのではないのだろうか。日本国の人(政治家)や組織(特に役人や企業)はいったい歴史から何を学んで来たのであろう。あまりに悲しい。
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