671円(税込)
ドイツの神経研究所で学ぶひとりの日本人精神科医。彼が遠い異国へやって来たのは、人妻との情事に終止符を打つためでもあった。ドナウ源流地帯、チロルの山々、北国の町々ーーヨーロッパを彷徨う彼の胸に去来する不倫の恋への甘美な追憶、そして、作家としての目覚めと将来への怯え。著者自身の若き日の魂の遍歴をふり返り、虚構のうちに再構成した《心の自伝》。『幽霊』の続編。
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★2.5だがおまけで。
虚構に仕立てているんでしょうが、いまいちかな。
要するにあんまりのめり込めなかったということです。
北杜夫はユーモア作家と一般的には評価されているが、この作品などに見られる叙情性こそが北杜夫を北杜夫たらしめている物だと思う。
彼の作品を叙情性という観点から眺めてみると様々な作品群も(SFもユーモア、エッセイも)根底にある水脈は同じなのだなと気づかされる
北杜夫のお父さんは歌人の斎藤茂吉です。自伝的要素の強い小説として「楡家の人びと」が代表的ですが、この木精という題名も「はるかなる国とおもふに挟間には木精おこしてゐる童子あり」と詠った茂吉の短歌から採っています。私の父の本棚には茂吉の短歌集と北杜夫の小説が並んでいたのですが、娘の私は短歌にはあまり興味がなく、茂吉の方ではなく北杜夫の本を抜き取りよく読んだという経緯がありました。今回本屋さんで見かけて新たな気持ちで読みました。
副題にあるように、ひとりの精神科医の青年時代の追憶の中に住む人への思慕を中心に自分自身を語る形式を取っています。この小説の前に「幽霊」と題した幼年時代を語る小説がありこれも懐かしい本です。
若いということは悩みも純粋で、体験も瑞々しい。恋愛に関しては尚更のこと盲目的といってもいいのかもしれない。
留学のため異国ドイツにあって反芻する、別れてきた人との切ない回想シーン。そして異国の風景と共によぎるトーマス・マンの小説「トニオ・クレーゲル」の一説。幼少期から青年期にかけての精神形成期にぼくが惹かれるのは、光りとは反対の世界。夜や霧の中、そして霊界を彷徨う死者たちのこと。青年期をはるかに越した今読むと、若い頃の共鳴とは別な角度からこころが震えることに気づくのです。
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