原子爆弾により奪われた広島二中一年生321人
失われゆく戦争の記憶を是枝裕和監督と綾瀬はるかが語り継ぐ
1969年に広島テレビで放送された「碑」(いしぶみ)を『そして父になる』でカンヌ国際映画祭審査員賞をはじめ数々の賞に輝いた是枝裕和が監督し、広島市出身の女優・綾瀬はるかが語り部を務める朗読劇としてリメイクした映画「いしぶみ」を、広島テレビ開局55年記念活動Message from Hiroshimaの一環としてBlu-ray・DVD化。
本作は、原子爆弾により、幼くして命を奪われた旧制・広島二中一年生(321人)が最後に残した言葉を読み語る朗読劇。
被爆者の平均年齢が80歳を超え、戦争体験のない人ばかりになる時は確実に近づいています。
「人は、核で死んではならない…」開局以来、原爆報道を続けてきた広島テレビはこの切なる思いを、世界中に発信します。
広島テレビは、日本という国の、小さなテレビ局ですが、そのメッセージには大きな力があると信じています。
<収録内容>
【Disc】:Blu-rayDisc Video1枚
・画面サイズ:16:9シネスコ
・音声:ドルビーデジタル2chステレオ
※収録内容は変更となる場合がございます。
<イントロダクション>
碑(いしぶみ)に刻まれた旧制・広島二中一年生の全生徒たち
幼くしてこの世を去った彼らの言葉が、未来を生きる子どもたちへのメッセージになる
太平洋戦争末期、それまでたった一度しか空襲がなかった広島市には、東京や大阪から多くの子どもたちが疎開してきました。
戦争も最終段階に入ったこの頃は、労働力不足を補うために、中学生も建物の解体作業や農作業などにかり出されました。
学校で勉強できる日は少なく、夏休みもありませんでしたが、みんな日本の勝利を信じて一生懸命働きました。
昭和20年8月6日は、朝から暑い夏の日でした。
この日、建物の解体作業のため、朝早くから広島二中の一年生は本川の土手に集まっていました。
端から、1、2、3、4、・・・と点呼を終えたその時でした。
500メートル先の上空で爆発した原子爆弾が彼らの未来を一瞬にして奪ったのです。
少年たちは、元気だった最後の瞬間、落ちてくる原子爆弾を見つめていました。
あの日、少年たちに何が起きたのか…。遺族の手記に残された死にゆく彼らの最後の言葉を伝えます。
<是枝監督コメント>
50年近く前に放送されたオリジナルの『碑』を観た時、この番組に関わったすべてのスタッフ、
そして朗読の杉村春子さんに心から畏敬の念を抱きました。
そこには、伝えることについての大胆で真摯な考察と、視聴者の想像力への信頼が溢れていました。
今のテレビが失いつつあるこのふたつと、自分が正面から向き合ってみたい。
そんな思いからこの『いしぶみ』はスタートしています。
<綾瀬はるかコメント>
原爆の惨禍によって、突然に短い命を終えていった子供たちの最期の一日を綴ったこの手記は戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えていると思います。
この夏「いしぶみ」をご覧頂いて、一人でも多く平和への強い思いが芽吹くきっかけになったならと願っています。
<キャスト>
朗読:綾瀬 はるか ナビゲーター:池上 彰
<スタッフ>
監督:是枝 裕和
©Hiroshima Television Corporation