572円(税込)
一冊の本を端から端まで読むと、なにかを「知る」以上の体験ができる……物語を手がかりに人間の心の深層を見つめ、鋭い考察を重ねた臨床心理学者河合隼雄。豊かな読書体験をもとに、カフカ、ドストエフスキー、ユングから村上春樹、吉本ばなな、児童文学や絵本まで、「深くて面白い本」二十冊をテーマごとに読み解く。縦横無尽に語り下ろした晩年の貴重な書。『心の扉を開く』改題。※文庫版に収録されていた解説は、電子版では掲載していません。ご了承ください。
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旅(電車移動)のおともに、積読タワーでふと目についた文庫本を。
2006年に岩波書店から出た『心の扉を開く』は最晩年の一冊で、それを改題し、若干の修正・補足を加え文庫化されたのが2014年正月、そのときすぐ買ったらしいので十年も積んであったのだった。
読み始めたらするすると話に引き込まれ、一両日であっというまに読んでしまった。
この本は4回のセミナーの口述記録をもとにする形で、1回1テーマに付き5冊ずつの厳選おすすめ本(+さらに5冊の「もっと読んでみたい人のため」のおすすめ本)を紹介して、本をとっかかりに心の扉を開く(=無意識の世界へ入っていく)ことについても解き明かしており、それぞれの本が河合隼雄的にどこがどうおもしろいのかを熱心に語っているので、もう芋づる式に読むしかないという感じになってくる。絵本から『ユング自伝』まで並ぶ20冊は、児童文学や絵本はさいわいにしてもう読んでいるものが多いが、それでも、積読の山がさらに高くなる…
河合隼雄の本を読むというのは、それだけでも氏のカウンセリングを受けたような気分になれて、今自分が抱えている問題についてのヒントも得られたような読後感がある(はからずも、巻末の加藤典洋の解説にも同じようなことが綴られていた)。今回手に取ったのも、心身がそういう時間を欲していたのかなと思った。
ユング派心理学の第一人者である河合隼雄氏の最晩年の著書。
著者が「読まなきゃ損」と考える書籍を紹介し、自分はどう読んだか、どんなメッセージを受け取ったかを語るという形式になっている。
一番読みたいと思ったのは「一組の男女の関係は6通りある」と語るエマ・ユングの『内なる異性ーアニムスとアニマ』。河合氏のような洞察は不可能にしても、実際の著作に触れてみます。
【1回目】自分自身、精神科にかからなければならなくなったことから、一時期よく読んでいたが、最近はとんとお暇してしまっていた。一読目の感想は、やはり「こころ」というもの(?)の、わけの「わからなさ」である。極めて身近な存在であるだけに、わかっている「つもり」でいると、大やけどをすることになる。河合さんは、取り上げた本に連ねられていることば達とともに、真っ直ぐ「こころ」の深みへと私たちを誘う。いや、「こころ」では足りてないのではないか。それは「いのち」の深みなのではないのか。
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