649円(税込)
紫風祭。藤ヶ崎高校学園祭を早伊原樹里と回ることになった春一は、その道中で相次いで“謎”に遭遇する。開会式で用いる紙ふぶきの消失。模擬店と異なる宣伝看板を並べる実行委員。合わない収支と不正の告発。初夏の一大イベント真っただ中で起こる事件を追う中で、二人は学祭実行委員長・篠丸の暗躍を知る……。正義とは何か。犯人は誰か。切なくほろ苦い青春ミステリ、第2弾。
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矢斗春一が正義とか善行とかを難しく考え過ぎている部分があるのに対し、早伊原樹里は逆に振り切れ過ぎていて善行を全否定しているのが印象的でした。
矢斗春一が過去に捉われ抜け出そうと足掻いている様に、早伊原樹里にも捉われている過去があるのでは無いかと思いました。
高校生たちの恋愛模様の心理戦を扱ったものといっていいかな。でも、人のためにするのは偽善なのか、結局は自分のためと割り切るのか、人の心理を推理できるのは思いやりなのか、という結構難しいことを問うているよ。主人公のミステリーを引き寄せる体質のために近づいた早伊原樹里は、毒舌の気の強い女子のようでいて、主人公の過去に向き合わせるおぜん立てをしたし、今回もまだいろいろ引きずっている主人公に新たな決心をさせている。樹里本人もいろいろ抱えているのかもしれない。次回も楽しみになる。それにしても、作者が平成4年生まれとはなあ。驚くね。
「宣伝されている模擬店が存在しない理由」
グダグダな司会と張り出された昨年の案内板。
彼の言うとおり全てを知ったうえであの勝負を挑んでいたとしたら、狡いとかの問題でなく周りの迷惑などを考え自ら先に解決すべきだったのではないだろうか。
「紙ふぶきの中に「好き」と書かれたものが混ざっている理由」
前日に無くなったノートの行方と刻まれた紙ふぶき。
本当の心情は関係者にしか分からないだろうが、親友と呼べるほどの友人が常に意中の相手のことしか自分に問わなくなったら寂しく感じはするだろうな。
「学校のいたるところに同じラクガキがある理由」
不正の事実と正しい答えに辿り着きたくない訳。
言葉ではうまい事言っておいて事実はただ私欲のために作られたレースなど、誰も認めることは出来ないだろうし悔しいだろうな。
「シフトに入らなかったことになっている理由」
作成したシフトと皆が知る異なるシフト。
これに至っては彼女の意見に同意せざる得ないと思うが、傷付く怖さを知った彼からするとその正論も枷の一つになりうるのかもしれないな。
「彼女の理由」
全てを背負い自分を殺し終えようとした学園祭。
感情の変化に気付いた時、彼女は自分を殺す事で友人が幸せになるならと無意識に身を引いたなど普通なら中々出来ることではないだろうし、本当の自分を偽るのはかなり苦しかったろうな。
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